実際の商品名、店舗名、人物名は小説などの創作作品に使えるか?

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最近、当サイト創作支援被験者 ⇒ SS が読んだ本に、おもいっきり実在の商品名、作品名、作品のキャラクター名が登場しており、かなり度肝を抜かれたと聞きました。出版社は角川書店、出てきたキャラクターは小学館の有名マンガのキャラクター、これってありなんでしょうかね?

小説に実際の商品名、店舗名、人物名は使えるか? くつキッチュスクラップス アイキャッチ画像 はてな標識

もくじ

 

小説やマンガ、ドラマなどの架空の著作物において、実際の商品名、店舗名などの名称の使用はどの程度許されているものなのでしょうか?

色々調べてみた結果、「最終的には出版社に判断を委ねればよい」という意見が多かったのですが、自己出版(セルフパブリッシング)では権利関係などの編集チェックも作者の仕事。出版社にお任せするわけにはいきません。

というわけで、今回は「小説に実際の商品名、店舗名、人物名は使えるか?」についてまとめてみました。

※趣味の範囲かどうかによっても違ってくるかと思いますが、今回はある程度の値段をつけて電子書籍を出版する前提でまとめました。


 

2015年6月26日追記:関連の最新記事はこちら↓

New!「実在の商品名、店舗名、商標、有名人名は創作に使えるか?」を弁護士ドットコムさんに質問してみました♪


 

 

商品名、店舗名など

小説中の商品名、店舗名などの使用は、

  • 実在の名称 ⇒ ポッキー
  • 一部伏せ字(または変え字)⇒ ポ○キー、ホッキー
  • 作者の創作した架空の商品名 ⇒ ポッチィー(もしくは『細チョコ棒』など元の商品を連想させないもの

この三つが基本的なパターンかと思います。出版社の方向性にもよりますが、

表記 表現
実在の名称がガッツリ入ったもの ※「ポッキーうめえ」など会話に何気なく出る場合
一部伏せ字(または変え字) ※ちょっと危ない場合(「ホッキーのような貧相な庶民の菓子など口に合わぬ」などの微妙なマイナス表現がある場合)
作者の創作した架空の名称 ※何らかの魔力が宿ったポッキーによって町ごと薙ぎ払われてしまった、というようなポッキーを貶めるような表現の場合

なんて使い分けかなと。

と思った矢先にこんなポストを発見いたしました。↓

なるほど、となると伏せ字も危険ですね…(´∀`;)

参考:フィクションと既存企業の著作権侵害の微妙な関係 – Togetterまとめ

そういえばSSが読んだ本というのは、80年代のSF作品だそうす。その時代はもしかすると今に比べておおらかだったのかもしれません。

というわけで、権利関係が昔より厳しくなった今、自己出版では個別使用許可を取っていない限りは、架空の名称を使用するのが一番無難だと思います。架空でしたら、その商品を武器に地球を爆破しようが、「○○のピザは生地がダンボールみたいだ」なんて表現をしようが、気兼ねなく自由に表現できますしね。

 

曲名

曲名自体は使用できます。

が、こちらも商品名と同じく曲や作曲家など、曲に関わるものを貶めるような内容になる場合は訴えられる可能性がありますのでご注意!

ちなみに、歌詞の方はどんなに短い使用でも許可が必要。※許可はJASRACなどの権利団体、またはJASRACに登録していないような個人で活動しているアーティストさんの場合はそのアーティストさんへ個別に許可を取って下さい。

曲名だけなら「頭の中に『ギミチョコ!!』がかかりっぱなしで寝付けない」なんていう表現を使えば、書き手と(曲を知っている)読み手の音楽イメージの共有は可能ですね。

ギミチョコ!!ギミチョコ!!

 

人物

人物の名前を出す事自体は、問題ないようです。

これも上の二つと同じく、小説に登場させた人物が作中なんらか不快に思うような表現があれば、その時点で名誉毀損や肖像権侵害などで訴えられる危険性はあります。

パロディとして判断されるかどうかというところは非常に微妙で、とにかく相手がどう感じるか次第かと。

 

商標

有名なところでは「宅急便」でしょうか。

DSC_0131

「宅急便」はヤマト運輸の登録商標。スタジオジブリはそれをしらず『魔女の宅急便』というタイトルで、制作を進めていました。しかし「宅急便」という名称は、実はヤマト運輸の登録商標であると、ヤマト運輸から訴えられました。双方で話し合った結果、最終的にはヤマト運輸と魔女の宅急便がタイアップするということで決着したらしいです。(ジブリ側から早期にヤマト運輸へスポンサーを要請したなどの別の説もあります)

商標の普通名称化

ちなみに、商標には一般に浸透しすぎてしまった末に普通名称化したものもあります。

商標の普通名称化(しょうひょうのふつうめいしょうか)とは、商標としての機能、すなわち特定の企業その他の団体が提供する商品または役務(サービス)を識別する標識としての機能(自他商品役務識別機能、出所表示機能)を有していた名称が、徐々にその機能を消失させ、需要者(取引者、最終消費者)の間でその商品や役務を表す一般的名称として意識されるに至る現象をいう。

くつキッチュ!アイコン wikipedia商標の普通名称化

『うどんすき』などは、商標から普通名称化したものの代表。

こんなふうに普通名称化されていれば気兼ねなく小説に登場させられますし、創作家さん達には有り難いこと。

ですが、企業側としては普通名称化されてしまうと、これまでの努力が水の泡。なんとしても普通名称化を阻止しようとするのが当然です。

商標が普通名称化すると、商標としての機能は失われ、商品や役務に用いても、顧客吸引力をまったく発揮しなくなる。また、その商標が登録されていても、商標権の行使が不能となり、第三者による無断利用を排除することができない。その結果、これまでの営業努力によって築きあげられたブランド価値が消失し、その商標を保有していた企業などにとっては大きな損失となる。そのため、周知あるいは著名な商標を保有する企業などは、徹底した「ブランド管理」によって、商標の普通名称化を阻止しようとするのが一般的である。

くつキッチュ!アイコン wikipedia商標の普通名称化

ヤマトの例だけでなく、どこの企業でも商標というものをとても大事に扱っています。

作中でよほどひどい扱いをしなければ問題になることはないと想いますが、普段何気なく使っている単語が実は登録商標かもしれない、ということは頭の隅にいれておいた方がいいかもしれません。

 

ちなみにくつきは「ホッチキス」が登録商標だと思っていました。しかし、こちら⇒普通名称化した商標一覧 商標権が初めからないものによると「ホッチキス」は現在普通名称の扱いのようです。

その他参考サイト:【日刊SPA!】「ホッチキス」という名称を巡る意外な事実【鴻上尚史】

 

わたしの恋はホッチキス(ライブイベント ~レッツゴー!~Ver.)(LIVE ver.)わたしの恋はホッチキス(ライブイベント ~レッツゴー!~Ver.)(LIVE ver.)

 

 

「この物語はフィクションです」という免責

こちらの定型文⇒「この物語(小説、マンガ、ドラマ)はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。」

これっててっきり法律で決まっていることだと思っていたのですが、

結論としては、法律で決まっているものやルールではないが、

  • 偶然に名前などが一致した場合のトラブルを避けるため
  • おかしな勘違いをする人や常識が通用しない人への対策

という意味で自主的に入れている注意書きのようです。

この漫画はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。←なぜ書くの? | Web担当者

ということで、法的な縛りはないそうです。

ですが、出版物のどこかにこの一文を入れておくのは最低限の保険になると思います。

 

 

おまけ:事前に許可を得ている作品の例

許可を得ているというか、「はじめから企業とのタイアップ契約をしている」という例がこちら

コードギアス⇒ピザハット

キン肉マン⇒吉野家の牛丼

TIGER&BUNNY⇒諸々(牛角やペプシなど)

GO NEXT!!GO NEXT!!

 

ピザハットはかなりの作品とタイアップしてますね。 ウィキペディア ⇒ くつキッチュ!アイコン wikipedia ピザハット 1.3タイアップ

ローソンも同じく ⇒ 進撃、弱虫ペダル、Free! etc… ローソンとコラボしたアニメまとめ – NAVER まとめ

 

「絶対的な答えがない」のが、答え。

改めて調べてみると、創作には実は結構な制約があります。

が、実際は絶対安全圏を行く作品ばかりではありません。『のうりん』、『ケロロ軍曹』、『らき☆すた』、『gdgd妖精’S』、最近では『妖怪ウォッチ』など、「これはマズイのでは……」と見ているこちらが心配になるような作風も多数あります。

みな大手ですので基本的には権利処理は万全かと思いますが、中には処理しているとは思えない作品(『のうりん』の祟り神シーン、『gdgd妖精’S』全般など)も多く、明確なパロディ規定のない日本では、訴えられない可能性はゼロではありません。

ですが、そういったギリギリアウトな表現を面白く感じてしまうのも事実。

版権全般に言えますが、どのような使用なら許されて、どのような使用では許されないのか?許可を取った場合を除き、「絶対的な答えがない」のが、答えなんでしょうかね。
Exit

どうしても実在の名称(人名)を使いたい場合は、

  • 相手がどういう企業(人)で、小説(などの創作)に使用したらどう思うか?
  • 自分の作品は相手にとってどう映るのか?

を冷静に考えて賭けるしかありません。マイナスのイメージでなければ、企業によって宣伝になると放置してくれるかもしれません。

(そうはいっても、上の例と同様、全ては権利保持者の受け取り方次第。ちょっとした行き違いで訴訟になる可能性もあります)

小説に商品名が出ただけで訴えられた判例は今のところないようですが、SSアイコンss illust by ssは、店舗に侵入する、建物の一部が破損する。

などの表現があったため、架空の店舗を創作したそうです。

読み手とのイメージの共有は多少薄れてしまいますが、実在のイメージに縛られずおもいっきり表現したいなら架空の商品、店舗、人物を使うのが一番無難な道だと思います。

全部をガチガチに守って制約ばかりの中で作品を作るか、多少のリスクを承知で挑むかは人それぞれ。

ですが、知らずに侵害してしまったのと、ある程度のリスクを知った上でバランスを取るのは別物です。

今回はどちらかと言えば著作権というより、企業や商品のイメージに対する意識の話になったかと思いますが、いづれにせよ実在の商品名、店舗名、人物名を使用する時には、その後ろに現実の人間が存在していることを想像してから再考してみるのがよいのではないでしょうか?

 

(*´∀`*)ノシ でっは~~♪

 


2015年6月15日追記:

New! 実在の商品名、店舗名、人物名を小説などを創作作品に登場させた場合の一インディーズ作家の対応メモ

一創作家の対応メモですので、あくまでもご参考まで。


2016年5月11日:追記

この件に関して、「実在の名称を使うだけなら、商標権も著作権も関係ないので創作作品に使用しても問題ないのでは?」と、コメントでご指摘いただきました。

詳細 ⇒ コメント

ご指摘頂きました通り、作中に商標を使用することは、商標権・著作権の観点からだけ見れば問題はないと思います。

ただし創作中に使用するとなると、ネガティブ~ポジティブまで、色々な使い方が想定されますので、万が一その商標のイメージを損なうような使い方をすれば、商標権・著作権とは別の方面からクレームが入る可能性もあります。

ですので、記事公開から約2年経ちますが、今のところ「普通に名前を使用するだけなら問題はないが、使い方によっては注意が必要」という認識には変わりはないです。


 

その他参考 ⇒ 「実在の商品名、店舗名、商標、有名人名は創作に使えるか?」を弁護士ドットコムさんに質問してみました♪

 

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