初音ミクという希望の光/自由で明確な著作権モデルPCL

くつキッチュ!アイコン-copyright-著作権カテゴリへ くつキッチュ!アイコン-wota-culture-ヲタカルチャー カテゴリへ

初音ミクという希望の光/自由で明確な著作権モデルPCL 3

 新しい著作権のカタチ

いまさらですけど、初音ミクの著作権モデルが素晴らしい!

なにが素晴らしいかといえば、著作権を守りすぎず、かと言って緩すぎず…

ユーザーと版権元ウィンウィンの絶妙なバランスを調整し続けていることです。

今ある二次創作の現場はいくら盛り上がっていようとも厳密にはいかんともしがたいグレー領域であることに違いはありません。

作品の宣伝や盛り上がりそしてなにより売上に必要不可欠となった二次創作も、あくまでも著作者が黙認してくれているからこそ成立する世界。

親告罪ですから、万が一著作者(版権元)の意向にそぐわない行いをすれば、著作者の一声で違法となる危うい世界でもあります。

また今後TPPが上陸すれば知財項目にも確実に影響が出、これまで親告罪だったものが非親告罪(著作者が訴えなくても警察が著作権侵害を訴えられる)となる可能性が十分考えられます。

そうなると、二次創作で盛り上がっている作品もなかなか今のように自由に楽しむことができなくなってしまうかもしれません。

初音ミクという希望の光/自由で明確な著作権モデルPCL 1

 初音ミクとピアプロ・キャラクター・ライセンス

インターネットに触れていて、初音ミクを知らない人はほとんどいないかと思います。

毎日のようになにかしら関連情報がニュースに上がってきますし、詳しくは知らないとしてもミクのビジュアルは意識せずに目に入れている事と思います。

くつキッチュ!アイコン wikipedia初音ミク

[nicodo]sm2937784[/nicodo]

くつきが初めて知ったのもたぶんなにかのニュースだったように思います。

その後ニコ動でMMDという3D動画やボカロ動画などでモデルの初音ミクをちょいちょい目にするようになり、一昨年くらいからボーカロイドというジャンルをハッキリと認識しはじめました。

[nicodo display=”player” width=”500″ height=”330″]sm2420025[/nicodo]

中でも興味を引いたのが版権元クリプトン・フューチャー・メディアの独自のライセンス展開です。

本日記事中のこの画像は3D動画MMD(MikuMikuDance)の3Dモデルの中でも有名なlat式初音ミクMMDモデルなのですが…

初音ミクという希望の光/自由で明確な著作権モデルPCL 4

lat式ミクのれあどめ(利用規約)

::使用条件::
モデルデータは、版権元のキャラクター利用のガイドラインと同様になります。
その範囲内であればデータの改変・流用を含む利用・再配布等オールOKです。

版権元の規約を準拠するならば大抵の事はOKという規約の中でもかなり緩めのもの。

ボーカロイドに関する二次創作はほぼこんな感じです。

というわけで、版権元クリプトンの著作権情報です↓

ピアプロ・キャラクター・ライセンスについて

一般に「版権物」と称されるキャラクターについて、原画をそのままのかたちで、またはみずから描いたイラストなどのかたちにして(いわゆる「二次創作物」)、その権利者の許諾がないままインターネットなどで公表することは、著作権法などの法律によって禁じられています。『初音ミク』などの当社キャラクターも、法律によって同じように扱われます。

先程も申し上げました通り、二次創作とうのは著作者の許諾がない限りいくら著作者の作品に経済的効果を生み出したとしても厳密に言えばグレー領域なんですね。

いくら黙認されていても原則は版権物として著作権に縛られています。

では初音ミクはどうかというと、この規約を見る限り同じく版権物としての著作権で縛られています。

しかし、クリプトンの規約には続きがあります…

 ユーザーの自然な願望を取り入れた規約

一方、クリエイターにとって、自ら汗をかいて制作した作品を、それが二次創作物であってもインターネットなどで公表したいと思うことは自然な願望です。当社も、営利を目的としない利用については、当社のキャラクターをできる限り使っていただきたいと思っています。

ということで、通常版権元が『黙認』としているグレー領域を、条件付きで認めようという新しい考え。

条件付きとはいえ、二次創作がハッキリと白と認定されるのはかなり特異なことだと思います。

ユーザーの自然な願望、つまりニーズを臆すること無く取り入れたカタチがこの規約に表現されています。
初音ミクという希望の光/自由で明確な著作権モデルPCL 5手首がホラーな事になってしまって初音さんスミマセン;;(´;ω;`)
MMDDMのデフォルト設定のまま調整するスキルがありませんでした…

 二次創作公表の条件とは?

肝心のその『条件』ですが…

そこで当社は、クリエイターと権利者双方の願いと、現行著作権法とのギャップを埋めるため、営利を目的とせず、かつ、対価を受け取らない場合(非営利かつ無償の場合)の当社キャラクターの二次創作物の利用について、ピアプロ・キャラクター・ライセンス(以下、「PCL」といいます)という利用許諾契約を用意いたしました。

非営利、無償に限り利用許諾契約が結べるというわけです。

え?非営利?無償?

そうなると、「二次創作の出版物は無償配布じゃないとダメなの?」という疑問が湧くのが自然です。

それはこちらに示す通り…

B.非営利かつ有償の利用について

(1) 非営利有償配布
クリエイターが、利益を上げることを目的とせず、かつ、原材料費程度の支出を補うために必要最小限の対価(いずれの形式、名目をもって行われるかを問いません。以下同じ。)を受け取って、当社キャラクターの二次創作物(自作のものに限ります。)を自ら小規模に配布することをいいます。
(2) 非営利有償サービス
利益を上げることを目的とせず、かつ、会場費程度の支出を補うために必要最小限の対価を受け取って行う小規模のイベントまたはサービスにおいて、当社キャラクターの二次創作物(自作のものに限られませんが、利用する正当な権原を有するものであること。)を展示、上演、上映または公衆送信することをいいます。※(3)以降、その他詳細は元サイトにてご確認下さい。

つまりボロ儲けしなければ、必要経費程度の対価を認めているということですね。

その他細かな規約はありますが、二次創作が大手から公式に許可されるというレアケースですので、細かな条件がつくのは致し方ないかと思います。

気になるのは「ここまで利用を開放して企業の利益にダメージはないのか?」ということろですが、現在の世界規模での初音ミクの盛り上がりを見ればその答えは明らか。

曖昧で頭の片隅に不安を残すような現状の二次創作にとって、明るい糸口となりそうなモデルです。

 まとめ:PCLは、希望の光となるのか?

新しい二次創作の形を生み出す素晴らしい著作権モデルPCL(ピアプロ・キャラクター・ライセンス)ですが、語ることが多すぎてとても1回の記事ではまとめきれず、かなり駆け足となってしまいました。

今回は概要のみとなりましたが、今後は個々のシーンに応じての細かな検証やまとめなどを続けていきます。

また、このライセンスを参考にさせていただき、わかりやすく使いやすい規約モデルなども作っていけたらと思っています。

今のところ通常の二次創作は、厳密に言えば限りなく黒に近いグレーではあるのですが…

しかしグレー領域だったもの完全に黒とした場合にどういった結果がもたらされるのかは、違法ダウンロード刑罰化の経緯を見るとなんとなくわかるような気がします。

保護すればいいだけでもない、かといって緩すぎて踏みにじられてもいけない…

著作権というのは著作者の一方的な武器ではなく受け手と送り手、双方のバランサーなんだなというのを今回記事を書くにあたり、より一層強く感じました。

そんな中、絶妙のバランスを保ち続けているPCLはTPP上陸後ますます危うさが増すであろう二次創作の世界の一筋の希望の光となるはずです。

 

初音ミクという希望の光/自由で明確な著作権モデルPCL 2

でっは~(*´∀`*)ノシ

記事がお気に召しましたら投票していただけると嬉しいです♪
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

S.Sに真面目すぎて退屈と言われました…ひとりだと記事が堅くなる自覚あります…(;´д`)トホホ…

「ネットの自由」vs.著作権: TPPは、終わりの始まりなのか (光文社新書)

「ネットの自由」vs.著作権: TPPは、終わりの始まりなのか (光文社新書)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Share on Tumblr

関連記事

正しく怖くなっていく著作権セカイで、ユーザーと著作者双方を守る規約のあり方とは? その1:規約でボケようとしちゃダメだぞ!アイキャッチ画像 illust by 佐藤利音@310104o

正しく怖くなっていく著作権セカイで、ユーザーと著作者双方を守る規約のあり方とは? その1:規約でボケようとしちゃダメだぞ!

   イラスト:佐藤利音@310104o デザイン:くつきちよこ 正しく怖くなってき

記事を読む

"Pelikan Fountain Pen" Photo by David Blackwell. on Flickr Some rights reserved.

Twitter画像パクリ確認ツールとか、某通販サイトの手続きをミスってテンパった件など、期待に応えるグダグダ小ネタ3選

"Pelikan Fountain Pen" Photo by David Blackwell.

記事を読む

【創作用架空設定】非実在商品、企業wiki『創作ステージ@まちペディア』進捗__φ 架空のロゴ、名称、試作品 design by くつき ※クリスタ素材含む。

【創作用架空設定】非実在商品、企業wiki『創作ステージ@まちペディア』進捗__φ

架空のロゴ、名称、試作品 concept by 佐藤利音 design by くつき 登場人物

記事を読む

弱小個人の作品保護のための、タイムスタンプサービスに代わるアイディア3選+オマケ アイキャッチ用画像 by くつきちよこ

~個人作家さんの作品保護のための~ タイムスタンプサービスに代わるアイディア3選+オマケ

図:くつきちよこ フォント:851チカラヅヨク   登場人物:くつきちよこ

記事を読む

McDonald's Thai Welcome - Bangkok by MsAnthea, on Flickr

「実在の商品名、店舗名、商標、有名人名は創作に使えるか?」を弁護士ドットコムさんに質問してみました♪

  McDonald's Thai Welcome - Bangkok by MsAnth

記事を読む

Adobeクリエイター発信サイトBehanceのシェア範囲について Using The Strength Of Copyright To Share: @creativecommons #taaaccct #open4us by giulia.forsythe, on Flickr

『Adobeクリエイター発信サイトBehance』のシェア範囲について

昨日ご紹介したクリエイター発信サイトBehanceに関しての補足記事です。 Using

記事を読む

【フォント使用可否確認】初めての電子書籍出版準備編タスク洗い出し【剽窃チェック】 表紙案2 bug-hyousi-an illust by 佐藤利音@310104o

進捗バグりました!バグ式だけに(゜▽゜;) 電子書籍を個人出版される方は、検索チェック漏れの落とし穴にご注意ください!

  佐藤の電子書籍の作成のお手伝いで、ぐるぐるエブリデイなくつきです ε≡≡ε≡≡ヘ

記事を読む

Albert Einstein's quotes by La Melodie, on Flickr Attribution 2.0 Generic (CC BY 2.0) 引用 参照 参考 の違い

引用 参照 参考 の違い

  Albert Einstein's quotes by La Mel

記事を読む

浮世絵の著作権について調べてみた 鈴木春信『雨夜の宮詣』

「グッズ販売は?」「ブログ使用は?」浮世絵の著作権について改めて調べてみた。

鈴木春信『雨夜の宮詣』 とある事情でブログ記事に浮世絵を使用できるかを調べております。

記事を読む

ハッシュタグ #blockai で、画像の権利保護? ブロックチェーンを利用した無料タイムスタンプしてみた! 一昨日(2017年5月25日)くらいから、Blockaiのインターフェイスが突然変わって、CopyrightProofにもaccessできなくなってしまいました(;´▽`)メールなどでリニューアルのお知らせがあったか?確認中です。(乗っ取りとかではないと思いますが念のため)

ブロックチェーンを利用した無料タイムスタンプのハッシュタグ #blockai を紹介した直後、 #binded に変更になった話 ※変更後の注意点など

  ブロックチェーンを利用したタイムスタンプサービス Blockai が、 Binded

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.

  • 創作クラスタ応援し隊のくつきちよこ(崛起智世子)です。 このブログは、「ネット著 作権」、「セルフプロモーション」、「ワードプレス運用」、「電子書籍サービス」、 「自己出版(セルフパブリッシング)」、「創作」等に関する情報をお届けしておりま す。 ※Wiki『創作ステージ@まちペディア』(ちょっと押してますが)作成中です♪
  • follow us in feedly
  • くつキッチュ/スクラップス! on Tumblr

  • 「表現の自由を守る党」自作応援バナー くつきちよこ

  • パソコン工房「CLIP STUDIO PAINT PRO推奨パソコン」エントリーモデル登場